理解に苦しむ。セードルフ監督がバロテッリをピッチに送り出すことに決めた後半9分、
交代選手として提示された番号は10番。ピッチから出た後で何やら不満を言っていた本田でなくとも
「なぜだ」と思われた方は、結構おられたのではないだろうか。
ミランは先制に成功し、しかも内容も拮抗していた。特にサイドの守備、またサイドを経由した組み立ても効き、
ラツィオの武器である強力なサイドアタックを逆に抑えていた。
翻って言えば、それは本田が戦術的にそこそこ機能していたことを示す。その彼を取ってしまったのは、
守備の上では明らかに失策だった。
この日、本田に課せられた守備面での役割は、まず対面の左SBラドゥにプレスを掛けることだった。
高い位置から相手を追い、攻撃参加を許さない。また攻撃では、自由に中に入りつつもサイドを基準点としつつ仕掛けた。こうしてラドゥは、あまり前に上がれなくなっていた。
ところがセードルフはその彼を下げ、守備意識はお世辞にも高いとは言えないバロテッリを投入し攻めに出る。
中盤に人数が保てなくなったミランはペースを譲り渡してしまった。
本田というフタが取れてからは、ラドゥはより積極的に前に出て、再三のオーバーラップを仕掛ける。
そして、7分後に同点弾。最終的に攻略されたのは左サイドだったが、
右サイドのプレー強度低下に端を発するポジショニングのズレが招いたものだ。

先制点の起点に。本田の対応は進んでいる

本田は確かに、前半ロスタイムに訪れたFKのチャンスでフリーのヘディングシュートを外している。
ゆくゆくは替えられることになったのかもしれないが、1-0とリードを保っている最中だ。
「追加点が欲しかった(セードルフ)」という理由でリスクを冒す時間帯ではなかったのではないだろうか。
3本のシュートは前半でチーム最多だ。見切りをつけるにしても、もう少し引っ張っても良かった。
右サイドのタスクをこなすだけでなく、今までにない積極性も攻撃に反映させていたからだ。
依然、回ってくるパスは少ない。もっともこの日は本田のみならず、攻撃陣のほぼ全員が後方から
まともなパスを貰えない状況の中にいた。

(全文)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140325-00010005-footballc-socc&p=1


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